東武バスの初期型フルフラットノンステップバス

   ◆ ノンステップバスとは? その歴史  ツーステップバスから、ワンステップバス、ノンステップバス(フルフラットノンステップバスから前扉中扉間ノンステップバス)

昭和の時代、路線バスはツーステップバス(出入り口のステップが2段あるバス)が主流でした。 ツーステップバスは、出入口のステップが高く、特に高齢者には乗降に不便を感じていた実態がありました。 その対応として、床面高さを800mm以下(標準の床高は900mm)にした低床バスが登場しましたが、それでもステップを2段上ぼる・下りるという動作は変わりませんでした。 そこで登場したのが、出入口のステップを無くしたノンステップバスです。 ノンステップバスの試作車が登場しましたが、コストや改造費の問題から量産にはいたりませんでした。 昭和も末期に入ると、ステップの数を1段だけにしたワンステップバスが登場しました。 本格的に普及したワンステップバスは、昭和63年に京浜急行電鉄と日野自動車工業が共同で開発したタイプで、中扉から後方が1段高い(ツーステップバスと同等の床面)構造です。 ワンステップバスは、しばらくの間、路線バスの主流になりました。
時代は平成になり、バリアフリー法が平成6年に法定化され、平成18年12月20日に施行されることになりました。 これに対応して、再びノンステップバスに注目が集まりました。 まず、平成9年に三菱ふそうトラック・バスと日産ディーゼル工業が量産大型ノンステップバスを開発して販売が始まりました。 翌平成10年にはいすゞ自動車と日野自動車も量産大型ノンステップバスを開発して販売が始まりました。 大型4社が開発したノンステップバスは、車両後部に設置されている原動機(エンジン)・変速機・動力伝達装置のレイアウトを大幅に見直すことで、車内にステップがないフルフラットのノンステップバスでした。 フルフラットノンステップバスは、、大都市圏を中心に普及しましたが、車体後部のデッドスペースが多く、在来タイプと比べて定員が減少、変速機や動力伝達装置に海外製品を使用しているため価格が高い、等の問題がありました。 そこで登場したのが前扉と中扉間をノンステップとして、中扉から後方が2段高い(ツーステップバスと同等の床面)構造のノンステップバスです。 このタイプのノンステップバスは、ワンステップバスをベースに開発され、平成12年までに各社とも販売が始まりました。 瞬く間に、このタイプのバスがノンステップの主流となり、フルフラットノンステップバスは平成17年で一旦消滅しました。 しかし、前扉中扉間ノンステップは、後部に2段ステップがあり、車内での転倒事故がゼロにはなりませんでした。 フルフラットノンステップバスの需要はあり、東京都交通局はスカニア製のフルフラットノンステップバスを平成30年度に導入しました。 いすゞ自動車が令和6年に販売を始めた電気バス エルガEVもフルフラットノンステップバスです。

平成17年で一旦消滅したフルフラットノンステップバスです。 便宜上、初期型フルフラットノンステップバスと区別します。 自分もお世話になった東武バスの初期型のフルフラットノンステップバスを展示しました。

いすゞLV832L(いすゞバス製造)平成11年2月
西柏営業所 平成15年2月9日

いすゞLV832L(いすゞバス製造)平成11年2月 西柏営業所 平成15年2月9日
車体後部のデッドスペースが大きいのが特徴です

いすゞLV834L1(富士重工)平成13年1月 西柏営業所 平成15年2月9日
全国的にも珍しい富士重工製のいすゞフルフラットノンステップバスです

いすゞLV832L(いすゞバス製造)平成11年2月 北柏駅南口 平成11年8月
いすゞLV832L(いすゞバス製造)平成11年2月
柏駅西口 平成13年8月26日



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